マルコ テルノヴェックは20年ほど前にイタリアでアーリーミュージックに興味を持ち、楽器作りを始めました。現在までヴィオラ ダ ガンバ製作家として15年以上にわたり、バロック、ルネサンスの約30種類の異なるモデルを作り続けてきました。
彼のハンドクラフトによる楽器は、すべてヨーロッパ各国のミュージアムやプライベートコレクションを実際に尋ね歩き、歴史的なリサーチを積み重ねた結果に基づいて製作されています。
楽器に使用される木材の品質は、サウンドに重要な影響を与えます。ガンバの表板には、古くからクレモナの楽器作りでも知られている、イタリアのアルプスで産出されるスプリュースを使用しています。それらは標高1200〜1400メートルの山中、木が切り出されたその場所の適切な空気の密度と湿度が整った条件のもとで、そのまま最低4年間乾燥させるために保管されなければなりません。
そこからマルコ テルノヴェック自身が一つ一つ木そのものの響を実際に確かめながら、こだわりを持った厳しい目で、均一で真直ぐな美しい木目の最高品質の木だけを選りすぐります。そして、さらに何年もねかせて十分に自然乾燥させた後、初めてガンバを作るために使用されるのです。
仕上げのためのニスも、楽器の 音響に大きく影響を及ぼします。 彼自身の手で古典的な手法に基づき 調合されたニスは、すべて天然の 素材のみ(松やに、コーパル、オイル、 植物からの抽出物や色素など) が使用されています。
これらも又、調合された後、数年間ねかせる必要があります。
ヴァイオリンのニスのような厚い塗りではなく、よりオリジナルの楽器に近い薄い塗りに仕上がるよう、さらに美しい木目を生かした自然な仕上がりになるよう、常によりよいクオリテイを追求しています。
ベルギーのブリュッセルから西に25kmほど離れた村にアトリエがあります。試奏のための楽器も常に用意がありますので、どうぞいつでもお立ち寄りください。